2018年11月27日

ゴーンショック:日産は日本のもの!フランスちゃう

 2018年11月19日、東京地検特捜部は、日産のカルロス・ゴーン代表取締役会長とグレゴリー・ケリー代表取締役を金融商品取引法違反容疑で逮捕した。役員報酬を計約50億円過少に記載した有価証券報告書を提出していたという。

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カルロス・ゴーン前日産自動車会長(64)

本当にびっくりしました。かつて倒産寸前の日産を救ってくれた救世主で、庶民的な人柄が慕われていた印象があったので、まさかこんな金銭スキャンダルで逮捕されるとは、夢にも思っていませんでした。

 日産は同社の資金を私的に支出するなど複数の重大な不正行為もあったとして、同月22日に行われた取締役会ではゴーンの会長職・代表取締役およびケリーの代表取締役の解任が提案され、可決された。

まさに「堕ちた偶像」ですね。失望感がハンパないのですが、やはり長くトップに君臨していると、権力は腐敗するのでしょうか。どこかでさっと辞める潮時というものがあったと思いますが、どうやらフランス政府との関係も深くかかわっていたようです。

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マクロン仏大統領とゴーン前日産会長

 今回の逮捕に関しフランスでは、ルモンド紙や経済紙のレゼコーなど、複数のメディアが日産の経営陣による「クーデター」説が存在する事を報道。特にレゼコー紙は「西川社長が恩人のゴーン氏を引きずり下ろした」と報じ、西川社長を「ブルータスだ」と厳しく断じている。

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うーん、やっぱりフランスでは今回のゴーン氏の逮捕を面白く思ってないのでしょうね。ルノーは日産に43.4%を出資しているのに対して、日産のルノーへの出資は15%で、事実上、ルノーが日産を支配している状態ですものね。その日産・三菱・ルノー3社の会長を兼任していたのがゴーン氏で、ルノーの会長職はまた解かれていませんからね。

フランスは失業率が高いようですし、ルノー株の15%を持つ仏政府は、日産とルノーの関係強化を望んでいて、両社を「後戻りできない提携」にしたかったのだとか。国内の雇用拡大のためにも、日産への支配力は維持したいのでしょう。

でも現在、売上高は日産がルノーを上まわっているし、日産としてはルノーの影響力を弱めたいというのが本音でしょうね。

ゴーン氏は、両社の20年近い提携関係を「不可逆」にするため、統合を計画していたとも報じられており、その裏で糸を引いていたのがマクロン仏大統領だったというのです。

この合併計画が数カ月以内に実現する可能性に危機意識を持った日産の日本人幹部がゴーン氏による不正行為の証拠書類を特捜部に持ち込んで、今回の逮捕劇につながったのだとか。

つまり、日産が危うくフランス企業になるところだった?

いやー、冗談じゃない! 日産は日本のものですよ。あちらに乗っ取られてたまるものですか!

今のところ日本政府は様子見のようですが、いざとなったらちゃんと援護射撃してくれるのでしょうね。向こうは最初から仏政府がついているのですから、油断しないように、しっかり今後の動きを見張ってくださいね。

かつてはトヨタ自動車と比肩するほどの実力や潜在能力があったのに、日産ってほんとにマーケティングやイメージ戦略が弱かったですよね。私は車についてはトヨタより日産好きだったんですけどね。

スカイラインGT−Rとか、最高に格好いいじゃないですか。

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今は日産GT−Rで、スカイラインという名称は無くなったんですね。セダンではなく、日産を代表するスーパースポーツカーとして売り込む世界戦略があったのかな。現在は、車の趣味が手ごろな「キャンピングカー」みたいなものに変わってきたので、あまり現状がわかりませんが。

できれば日産は、トヨタと並ぶ日本の二大自動車会社としての地位を築いてほしかったし、それがかなわなかったとしても、いまさらフランス企業になるのだけは絶対にイヤですね。

その可能性に抵抗して今回、日本人の取締役らががんばったのですから、日本政府も介入するべき時は、ためらわず介入する準備だけはしておいてください。仏政府やルノーと喧嘩する必要はないけれど、対等な協力関係にまではもっていってほしいものです。

まあ、日産が自力でそこまでできれば、それが理想ですけれど、ルノー側に人事権を握られているようですから、今後の成り行きを油断なく注視してゆこうと思います。

あとは、日産にゴーン氏に匹敵するほど有能な、世界に通用する人物がいるのかどうか――たとえカリスマ性はなくとも、しっかりと大きな組織を統率・管理して、以前の危機を繰りかえさずに、良好な経営を維持してゆける、そんな日本人幹部がいるのか、それがちょっと心配です。


posted by orion at 18:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際